第74番札所 甲山寺 「岩窟に毘沙門天を勧請して安置」
大師が善通寺から曼荼羅寺へ歩かれているとき、甲の形をしたこの山の麓より老人が現れ「我はこの地にて太古より人々に福徳を授け、仏法を広めてきた。この地に寺を建立せよ。私が永く護るであろう、との霊験を得た。」大師は感激して毘沙門天を勧請して、その尊像を甲山の岩窟に安置した。
やがて弘仁十二年に大師は満濃池の別当に任ぜられた。
三年ほど前にこの池は決壊し、それ以来地元の民に水害と旱魃を与えたが、築池師が何度も使わされたが進まなかった。
大師がこの地に赴任するとその徳を慕い数千人が寄り集まりわずか三ヶ月で工事を終わらせた。アーチ型のその堤はその後この地を長く守っている。
その時に恩賞として与えられた銭はこの甲山に堂宇を建立するのに使われたと言う。